経験ばかり積もうとしてると人生が詰むというお話。

7月 14, 2019

未経験から何とかITの業界に入り、やっとエンジニアとしてキャリアをスタートさせられた方も多いかと思います。

しかし、キャリアというものはただ年数を経験すれば形成されるものではありません。

戦略的に動いていかないと市場価値というのは簡単に頭打ちしてしまいます。

未経験〜経験3年ぐらいまでの評価軸

いわゆる駆け出しの頃は実務経験も浅く、武器となるものは多くありません。
初めての就職や転職での評価軸はこのあたりでしょう。

・学歴
・職務経歴
・年齢(若さ)
・ポテンシャル(やる気)
・資格(開発だとポートフォリオ)

・体力

正味な話、1~2年で積める経験で大きな実力差が開くことは稀です。
(モチベーション維持という意味では最初の2年間で良い環境に恵まれることは大切)

学生時代や社会人経験(前職等も含め)どれだけ伸び代がありそうかという部分を評価対象としている企業が多いのではないでしょうか。
そして学歴や職務経歴、体力を今すぐ変えることは難しいです。
年齢も変えられません。

そうなるとポテンシャルをアピールするしか無いという話になりますが、いくら口だけで「やる気はあります!」と言っても誰も信用しません。

そのやる気を証明するための1つの手段として資格やポートフォリオがある訳です。

例えば同じ資格一つにしてもどうでしょうか。
未経験で勉強を始めてから、1ヶ月で取る基本情報と、勉強を始めてから6ヶ月かけて取る基本情報。

資格としての価値はどちらも同等ですが、果たして採用側の目線としても同じ価値と考えるでしょうか?

ポテンシャルというのはどれだけの早さで成長できるかという感覚値です。
数値化出来るものではありません。
なので「この人はどんどん業務内容を覚えていってくれそうだな」という印象を与えられるかどうかが勝負です。

せっかく資格を取ったのなら勉強期間を、ポートフォリオを作成するなら作成期間をアピールするのも1つの手では無いでしょうか。

経験3年〜5年ぐらいから評価軸は大きく変わる

大体同じ会社に3年ぐらいいると与えられた業務が”そつなくこなせる”ようになり、それとなく一人前になってきたという方も多い頃ではないでしょうか。

この辺りになると会社の良いところ、悪いところも目につく用になり、転職を考え始める方も多いと思います。

経験3年ぐらいで転職する場合、評価軸は一般的には変わってきます。

・学歴(人気企業や大手だと重視する傾向)
・職務経歴(重要)
・年齢(年齢相応の実力があるか)
・資格(あれば良い)
・体力

若手の頃は最重要視されていた”やる気”はさほど重視されません。
経歴を見ればその人が向上心の高い人間かどうかなんてすぐ分かります。

ここで間違ってはいけないことがあります。

このフェーズからは”経験”ではなく”実績”を積まないとキャリアアップは難しいということです。


何が違うか?
経験は年数だけやっていれば誰でも積めますが、実績は限られた人にしか積むことはできません。

例えば役職や案件の中でのポジション(PM、PL)もそうです。

「3年間ネットワークの運用業務をやってきました」

という人と、

「3年間ネットワークの運用業務をやってきた中で周囲のメンバーへの気遣いやマネジメント能力が評価され運用リーダーとして業務を行ってきました」

2つの実績には圧倒的な差があります。

若い内は人間性や、ヤル気だけではどうにもならないことも多くあります。
実績がない人間の言葉には説得力が宿りません。
これはどうにもならないことです。
実績を作っていくことで言葉に説得力を宿らせることができるようになるのです。

説得力の1つに年齢や立場というものもあります。
自分より目上の人、色々な経験をしているだろうという先入観。
目上の人の言葉に説得力を感じる人がいるのもこれらの効果です。

若いうちはどうしても下に見られがちだからこそ実績が必要なのです。

現場で周囲を見渡してみてください。
「〇〇の仕事はいつもあの人が任されている」というような仕事が必ずあるはずです。

そのポジションや業務をどれだけ奪うことが出来るかがキャリアアップに繋がるのです。

あとは転職回数や転職の間隔を評価対象としている企業は多いです。
Twitterだと転職先や客先常駐の現場がハズレだったらどんどん転職すれば良いという意見もありますが、数ヶ月から1年間隔で転職している人なんて評価の対象外となるケースも往々にしてあります。

ハズレを引いてから即行動するのではなく、ハズレを引かないように行動すべきです。
職務経歴も立派な実績です。

経験5年目からの評価軸もまた変わる

5年も経験してくると、ひとまず1つの分野はそれなりに出来るようになる方が多いです。
様々な実績を積んでこられた人も多いでしょう。

◯◯システム案件のリーダーとしてメンバーを取りまとめた
〇〇という製品の開発に関わり、リーダーとして納品まで完遂した。

こういった実績が職務経歴に書けるかどうかで同世代と差はどんどん開いていきます。

5年でワーカー(メンバー)レベルを脱しないようであれば、それも1つの実績という判断をされます。
5年でスキルの幅があまり広がっていないようであれば、それも1つの実績という判断をされます。

5年やって実績を出せてない人と、経験こそ少ないけど実績を出してくれそうな人。
この2名で1つの枠を奪い合う際、場合によっては5年やってきた人が負けます。

他の評価軸として後任の育成が出来るかどうかという観点でも判断されます。

あなたが持っている実績が今の組織に足りないもので、どれだけ影響を与えてくれるか。
若手育成のためにどこまで協力してくれるか。

いつも言っていますが、個人の生産性なんてたかが知れています。
優秀な人だけ集めれば良いかもしれませんが現実はそうではありません。

様々なスキルセットを持った人間が配置されている中で、いかに組織としての生産性を高められるかが重要なのです。

いつまでも教えてもらう側や自己満足の世界というぬるま湯に浸かっていてはいけません。

1人前になったら信用で仕事をする

何年も同じ業界で仕事をしていると、実に多くの方と出会うことでしょう。
人によっては多くの実績も積み上げられてきたことでしょう。

そういった出会いの中でアウトプットを日々積み重ねることで信用が生まれます。

信用があれば仕事や職が生まれます。

私はまだ5年目ですが、今ならわざわざ転職エージェントの力を借りずともコネで優良企業に転職できる自信があります。

今は派遣会社経営の重要ポジションとしてこれまでの実績や信用で多くの方から入社したいという声を頂けるようになりました。

次は私を信用して入社して頂いた方々を幸せにすることで、更に信用が増すという未来を見据えています。

実績を積み重ねていくかで信用を積み重ねる。

何かが出来る人なんて1人前でも何でもありません。
どこへ行ってもすぐに周囲の信用を得られる人こそ1人前です。


結論として

キャリア形成は戦略的に進めないと実績ではなく経験で終わります。

実績も無く、経験も浅いうちは中々優良企業に入ることも難しいでしょう。

派遣やSESだとか環境を責めるのではなく、クソみたいな会社にしか入れない自分を責めて戦略を立て直しましょう。

入ってみて駄目だったら辞めるんじゃなくて、もっと入る前に慎重になりましょう。
フラフラしているうちにどんどん経歴は汚れていきます。

実績の積めない会社に入れないのであれば、現時点で入れる会社の中から選ぶしか無いんです。
良い会社を見抜く力も実力です。

情報収集しましょう。

研究しましょう。

経験が無ければ選択肢はほとんどありません。
経験を積み重ねれば少し選択肢が広がります。
実績を積み重ねれば更に選択肢が広がります。
信用を積み重ねれば選択肢には困らなくなります。

信用を失うのは慢心な気持ちです。

経験が足りないのに与えられた仕事、責任ある立場を任されること、信用をもとに依頼された仕事。
与えられた仕事に感謝の心を持って望めない人は何歳になっても大きな仕事を任されることはありません。

結局最後は人間の根本的な部分なんだよ。