インフラのSIerって何してるの?

5月 2, 2019

インフラエンジニアといっても働く場所、工程によってやることが全然違います。

例えば皆さんの大好きな自社サービスを持つ会社のインフラエンジニアの場合、自社サービスを動かす基盤の設計、調達、メンテナンス、運用等がメイン業務となります。

インフラのSIerはそういった企業に基盤を導入したり、スポットで作業したりするのが主なお仕事となります。

ここからは弊社の現場(大手インフラメインのSIer)で行われている内容に沿って説明していこうと思います。

まず主な工程は以下の通りです。
〇=SEの仕事、◆=構築部隊の仕事、☆=CE(カスタマーエンジニア)の仕事

〇 プリセールス(提案)
〇 要件定義
〇 基本設計
〇 詳細設計
〇 パラメータ設計
〇 テスト設計
◆ 構築
◆ 単体テスト
〇 結合テスト
☆ 運用
☆ 保守

SE(システムエンジニア)のお仕事

名前の通り、私が日々行っている業務です。

SEが基本的に上流工程を全て担当します。
営業部隊がエンドユーザー先に足を運びシステム更改や製品の導入案件を取ってきます。

例えば、「AWS上にシステムを移行したい」とか、「仮想マシン数百台稼働できる仮想化基盤が欲しい」とか、災害対策として「遠隔地レプリケーション可能なシステムが欲しい」とかとか。

そういった要件が記載された RFI(Requset For Informattion)や、RFP (Request For Proposal)に対応したシステムを提案する訳です。

現行システムの調査から始まり、データ移行を踏まえた互換性の確認、移行時のダウンタイム予測、現行運用課題の解決案、新旧システムの性能比較等々・・・

よくあるのが「現行システム同等の基盤を欲しい」という要件。

こういったふわっとした要件を細分化していき、一つのシステムを提案する訳です。
サーバ、ネットワーク、ストレージ、仮想化、クラウド、バックアップ等々・・・
システムというのは単体製品では無いので幅広い知識が求められます。

たたき台の構成がある程度決まったら提案書を作ります。
(みんなの大好きなパワポで作成します)

大抵案件というのはコンペ形式で行われ、お客様のハートを掴むと晴れて受注となります。

うちの現場だとプリセールスをやっていた人がそのままPM(プロジェクトマネージャー)になることが多いです。

そこから要件定義で更に要件を細分化し、基本設計や詳細設計に落とし込んでいくまでがSEのお仕事となります。

冒頭に述べた、「自社サービスを持つ会社のインフラエンジニア 」と仕事が全違うことがお分かり頂けたかと思います。

案件受注には幅広い知識、各製品のトレンド(最新状況)、プレゼン能力、ドキュメント作成能力、コミュニケーション能力が求められます。

更に案件受注後はプロジェクト管理能力、メンバーの管理能力、最終的な技術担保、結合テストをSEが実施するので要求レベルはそれなりに高いです。

※もちろんいきなり全てやらされる訳ではないのでご安心ください
※結合テストはシステム全体を把握できている人じゃないと出来ないのでSEが行います。

更にうちの現場の場合、複数案件を並行してやることが多いです。
毎日いくつかの案件でPMをやりながら、スキマ時間で提案書を書いたり、客先打ち合わせに参加したり・・・

自身のタスク管理も求められます。

これがTwitter界隈で言われるエクセル/パワポ職人のお仕事です。
ね?簡単そうでしょ?

構築部隊のお仕事

SEが細かい設計部分まで確定させたら構築部隊の出番です。

ここではサーバ専門、ネットワーク専門、ストレージ専門、データベース専門等々色んなスペシャリストがいます。
サーバ系の担当はサーバエンジニア、ネットワーク系はネットワークエンジニアと呼ばれたりもします。

もちろん1人でなんでもこなす人もいます。

サーバ担当は、サーバの組み立てからBIOSの設定、OSのインストール、ファイルサーバやDNS、クラスタソフトウェア等の構築を行います。

ハードウェアの種類も沢山あります。HPE、DELLEMC、CiscoUCS、HUAWEI、Nutanix等々・・・

ネットワーク担当はL2スイッチ、L3やコアスイッチ、ロードバランサーや、ファイヤーウォール等の構築を行います。
こちらもCiscoをはじめ、F5、Juniper、Paloalto、APRESIA、AlaxalA、A10、FireEye等々・・・

オンプレの社内環境からクラウドへ接続したいという時もネットワークエンジニアの出番です。

開発系はテストエンジニアと呼ばれるテスト専門の人が配置されることも多いかと思いますがインフラではレアケースだと思います。

うちでは構築した人がそのまま単体試験を行います。
実機の設定が設計書通りになっているか?、可用性が組まれている部分は想定通りの挙動をするか?(いわゆる動作確認)そんな試験を行います。
プログラムみたいに製品をゼロから作る訳では無いので、バグを潰すといったような全網羅試験はやりません。

あくまで基盤が想定している通りの挙動、性能、冗長化機能は想定通りの動作かという観点でテストを行います。

SEと比較して、常に機器の構築や試験を行っているので、機器を触る時間は必然的に多くなります。

いずれはSEをやってみたいけど、機器を触った経験があまりに少ないという場合はここで修行すると良いでしょう。

こちらもSEと同様、いくつかの案件を並行で担当します。
今週は〇〇案件のサーバを構築して、来週は××案件のストレージを構築して・・・みたいな感じですね。

CE(カスタマーエンジニア)の仕事

あまり聞き慣れないかもしれませんがカスタマーエンジニアという方々もいます。
うちの現場の場合、エンドユーザーに導入したシステムの保守を行います。

「自社サービスを持つ会社のインフラエンジニア 」の運用は自分たちのシステムに異常が合った時の原因切り分けや復旧を行います。
原因がわからない場合は保守契約を結んでいる窓口に問い合わせを行います。

そこからCEの出番となります。
まずは問い合わせの一次受けを行い、必要なログ取得依頼を行ったり、保守契約の内容によってはリモートで顧客システムに入り原因の切り分けを行います。

ある程度切り分けができたら社内のナレッジベースを元に解決策を指示したり、場合によっては製品のベンダーに問い合わせをエスカレーションします。

という具合のお仕事なので何よりもトラブルシューティング能力が求められます。
ログ等を見ながら色々な製品を触れるので業界未経験だったり、経験の浅い方が就業することが多いです。

まずはインフラの社会的な重要性、作業ミスの影響、ダブルチェックの重要性等々、業界の基礎を学ぶにはうってつけの工程となります。
ログの取得方法等はある程度手順書化されていることがほとんどなので、まずは手順書通り色々な機器を触るといったことが経験できます。

もちろんCEも極めると重宝されます。

まとめ

プログラマの方はインフラエンジニアが何をしているか全く知らないという人もいます。
客先提案に行くとアプリ担当とインフラ担当の方が出てくるケースがありますが、仲が悪いこともしばしば・・・

お互い立場が違うので仕方ない部分もあります。

SIerになると、また違う立場になります。
ちょっとみなさんがイメージしているエンジニアとは少し違うかもしれませんが、SIerのインフラエンジニアもキャリアの選択肢として考えてもらえると嬉しいです。

開発系のSIerともまた違いますが、インフラの場合、各ベンダー(AWS、HPE、NetApp等の製品を開発している外資系企業)と密な関係になっている方が入ってくる情報も新鮮です。

プレミアムパートナーやプラチナスポンサーという呼び名の関係にある企業は、そこの社員だけがアクセス出来るサイトがあったり検証用のライセンスを無償で手に入れられたりもします。

また、大手になればなるほど業務中に勉強会やセミナーへの参加が許されたり、ベンダー主催のハンズオンに招待されます。

ベンダーとしては自分たちの製品を売ってもらうためにプリセールスエンジニアに自社製品の良さを理解してもらうことが重要ですから。

なのでインフラのSIerを目指すなら極力大手が良いかなと個人的には思います。

同じ現場に長年いるのは大丈夫?という質問がたまにありますが、常に最新の製品が入ってくるので、特に問題はないかと思います。一昔前はオンプレのサーバ案件とかも普通に多かったですが、今はクラウドやハイパーコンバージドも普通にやってます。

もしこういった仕事に興味があれば大手のSIerで仕事をする社員も募集していますのでお気軽にご連絡頂けますと幸いです。