数字から見る派遣(SES)会社の選び方

4月 21, 2019


給与の安い派遣会社(SES)は悪で、給与が高い派遣会社が良いのか?

転職を考えた時に気になるのは給与面。それは誰もが考えることだと思います。


派遣会社というのは入り口のハードルが低いことが特徴ですが、「契約金に対する給与割合が良いところ」とか、「なんとなく雰囲気が良さそうなところ」で選ぶと大抵は後悔することになると思います。


そういった企業の良し悪しを見抜く力も立派なスキルです。
そこのスキルを鍛えずとりあえず就職を急いだことにより後悔している人もかなり多いです。


では派遣会社の採用/営業/エンジニアを兼任する派遣業界のプロである私が色々な数字をもとに派遣会社の選び方を伝授します。


 こちらも参考になると思いますので、まずはこちらを一読頂けると良いかと思います。




給与で見る派遣会社の選び方(経験が浅い方向け)

給与の高い会社は良いのか?給与の低い会社は悪いのか?
まずはこの観点で会社を見てみましょう。


派遣会社では派遣先と結ぶ契約の中で契約金というものが必ずあります。

派遣会社は一般的に各個人の契約金がベースとなって給与が決定されるような仕組みの給与テーブルを定めているところが多いです。

では契約金に対して多くの給与をもらえる会社が絶対的に良いのでしょうか?


答えはNOです。

例えば弊社、契約金が60万だった場合の月給は38万になります。
派遣会社の給与水準としては高めだと思います。

しかし資格取得手当てや書籍購入手当て等はありません。

ある程度基礎があって、中途で入社してくる人を主ターゲットとしているからですね。

数年経験がある方は資格取得手当より給与にダイレクトに還元されたほうが喜ぶからです。

(未経験の採用も若干実績はあるのでポテンシャル高そうな方がいれば採用はしています)

では例として別の会社を例に見てみましょう。
契約金60万に対して給与が25万だとしましょう。

しかし資格を取得した場合は、受験料が実費で支給されたり、技術書を購入する際の補助が年間1万円まで補助が出たりします。

あとは休日に技術的な研修が頻繁に開催されたり、検証用の機材が豊富に用意されていて使い放題です。

この会社の場合は、未経験を自社でしっかり育てる方針なので弊社とはターゲットが違うんですね。

未経験であればそこまで高い給与じゃなくても入社してくれます。研修制度が整っていたほうが成長は早いかもしれません。

資格手当として補助が出れば資格取得を目指す人も多いでしょう。

弊社みたいにいきなり38万もらったら、お財布的には余裕でも資格を取ろうという人はほぼいないでしょう。

というわけで、経験が浅い頃は一概に給与だけを見て会社を選ばないほうが結局は自分の成長速度が早かったりするケースもあります。

ただし、各種手当ても無し、教育制度も無し、給与も最低な会社は絶対に選んではいけません。



契約金に対する還元率が高い会社は良い会社か?(経験者向け)

さて、今回の本題です。 

恐らく派遣会社やSESをやっている会社を選ぶ際、ここの数字を最重要視する方も多いでしょう。

しかし、派遣会社やSESで働く際に最も重視すべきはそこではありません。

では2つの会社を例に見てみましょう。

A社:給与還元率が70%、社員の平均契約金が65万

B社:給与還元率が62%、社員の平均契約金が75万

あなたならどちらの会社を選びますか?
どちらの会社の方が平均年収が高いでしょうか?


私なりの見解としては、給与還元率が高い派遣会社は内勤社員が少なく効率化が出来ている会社。

平均契約金が高い会社は営業力が高いor在籍しているエンジニアのレベルが高い会社。

ちなみに上記の会社の平均月収は以下のとおりです。(理論値)

A社:455,000円

B社:465,000円

さすがにここまで細かい情報を公開している会社はそうそう無いでしょうが、一つの考え方として捉えて頂ければと思います。

会社説明会で質問してみるのも1つの手です。

もし私が派遣会社を新しく探すとした場合、以下の3点を重要視します。

・取引先はどこがあるか(キャリア形成に有利な案件がどの程度あるか)
・その案件にアサインされる基準はどの程度か
・給与の還元率は何%か

どれだけ還元率が高くても取引先が下請けばかりでは契約金の平均は必然的に下がります。

逆に多少還元率が低くても契約金が高ければ給与は上がります。

フリーランスと違って派遣会社で働くメリットは以下の通りです。

・派遣会社の看板、派遣事業の資格を借りて案件幅を広げられる
・営業の力を借りて案件の幅を広げられる
・会社の信用を借りて請負案件が出来る
・正社員となるので社会的信用が高くなる(ローン/賃貸/クレジット等)


自分で案件を取ってこれるレベルのエンジニアでも派遣で働くメリットはあるということです。

エンジニアの働き方は自由度が高い職種です。

自分は営業力が弱く、税金関連は誰かに任せて本業のみに集中したい方は還元率の高い派遣会社を利用するのも手です。

自分は営業も技術も税金関連も何でも出来てとにかくお金が欲しいのであればフリーランスとして働くのも手です。

総合的に安定が欲しいのであればプロパーとして出世を目指すのも手です。

自分のやりたいこと、やりたくないことを今一度整理してみると本当に自分に合った働き方というものが見えてくるのではないでしょうか?